2019年の前期保育士試験から、教育原理の難易度と感想。不適切問題は正答となるか。
.2019年の前期保育士試験から今回は教育原理の科目を全問解いて、それぞれの回答と簡単な解説、感想を書いていきます。問6のコメニウスの問題は、生まれた年代が全然違うとはいえ、なかなかずるい問題になっていました。不適切問題の可能性もありますが、私は不適切問題とも思えません。
そんな変な問題が隠れていた教育原理ですが、出題のバランスが良く、今回の教育原理はそんなに難しくなかったかなあ。という印象ですが、満点を出せる人はかなり少ないのではないでしょうか。
※問題は保育士協議会のホームページでダウンロード可能です。
2019年の保育士試験前期の教育原理の難易度と感想
2019年の保育士試験前期試験から、教育原理の問題を解いてみました。
私は問8の幼稚園教育要領の問題を間違えたので点数は1問間違えの45点になっています。(教育原理は50点満点)
平成最後の平成31年、令和元年の保育士試験としては、今回の教育原理は簡単でもなく、難しくもなくの問題が多かったと思います。
私が2016年に一発合格したときの問題よりかは、簡単でした。が、問6みたいなひっかけ問題は、あのときは無かったからなあ。
幼稚園教育要領からの問題が2つ出ているので、合格はできた方が多かったのではないでしょうか。
それでは、1問ずつの感想と簡単な解説を挟んでいきます。
問6の不適切問題については、最後に見解を書きました。
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問1 教育基本法の問題で答えは③
問1は教育基本法の9条から出題されました。
教育基本法は、最初の第5条くらいまでが出題されやすいところだったので、9条が出題されたのは、ちょっと意外でした。解答は③になります。
教育基本法は、記事でも解説しています。
問2幼稚園教育要領で答えは④
問2は幼稚園教育要領からの出題でした。前文からの出題は予想通りだったので、かなり優しい内容だったと思います。
生涯学習は、生まれてから死ぬまでの一生の学習を指すので、そういった面からも誤りになります。解答は④です。
問3 児童権利宣言で答えは⑤
この条文はどの宣言(法律)でしょうか。ってこの問題はかなり嫌な出題ですね~
で、この問題、ただでさえこれらの宣言と法律って内容が似ているので、かなり苦戦しちゃうんです。
児童の権利に関する宣言は、ジュネーブ宣言と、世界人権宣言の内容を受けて作ってある宣言です。
で、今回の内容は児童権利宣言の第2条の内容と一致しました。
www.city.sapporo.jp
なので、回答は⑤になります。
問4 消去法で解いた偉人問題で回答は③
レイウとウエンガーって誰なのでしょうか。知らない。。。。
というわけで、この問題は私は消去法で解きました。レイウとウエンガー以外は知っているんで。
答えは③になります。
問5 中江藤樹の知行合一で回答は③
日本の偉人問題です。
中江藤樹は知行合一です。
で、貝原益軒は和俗童子訓
で、残ったものは空海が入ります。
庶民にも教えを与えたことや、最後が【院】になっていることから、空海でも違和感はないです。
問6 19世紀にコメニウスはいないので解答は③
この問題・・・。かなりずるいです。
選択肢の①を選んだ方も多いと思います。
だって、コメニウスは世界図絵を作成しましたから。
けど、私は、なんでコメニウスとデューイの時代設定が一緒になっているんだろう。とびっくりしました。コメニウスは1650年代の人物なんですね。ドルトンプランとか、めちゃくちゃ近年の話です。
で、選択肢の③がまさに、コメニウスだけを誤りとした選択肢になっています。
なので、この答えは③になるんです。
・・・・めちゃくちゃずるくないか??
問8 幼稚園教育要領から答えは①
幼稚園教育要領からの問題です。答えは①になりますが、この問題は私は間違えて③を選択していました。焦
問9 PDCAサイクルで答えは④
リスクマネジメントとか、かっこよく選択してみたいものですが、この問題は教育課程に関しての答申になっているので、カリキュラムを選択します。
で、PDCAサイクルとは、
P 計画
D 実行
C 評価
A 改善
のことなので、PDCAサイクルが正解になります。
ちなみに、選択肢に登場したインテリジェンス・サイクルとは、情報を正しく整理して利用することです。
問10 障害者対応問題で答えは④
問10は今回の教育原理の中では一番簡単な問題だったと思います。
私は障碍児保育で働いているので経験値としてもちょっとはありますが、まったく経験のない方でも想像で解ける問題ではなかったでしょうか。答えは④になります。
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今回の教育原理の出題バランスは良かった。が問6みたいな問題はもういらない。
教育原理って、10問しかないので、「せっかく勉強したのに、ここが出題されなかった。」とかが、よく発生してしまうところなんです。
でも、今回の試験は、幼稚園教育要領から2問出題されたり、偉人問題も海外も国内も出題されたり、ちゃんと教育基本法の出題もあったり。と出題範囲のバランスはとっても良心的な試験でした。
ですが、、、
問6の問題はどうかなあ。
ちゃんと読んだら、コメニウスとデューイや、キルパトリックが同年代の人物でないことは明らかなので、正答を選択できる人も多かったと思うんですが、
この試験の緊張した心の中で、18世紀から19世紀の新教育時代の設問に沿った選択肢を選ぶ必要があることにはたして気付くことができるのか。。。 ちょっと悲しい問題でした。
たった10問しか出題されない教育原理。
しかも、厄介なことに社会的養護とのニコイチ科目でもあります。
こんな大切な科目でこんなセコい出題しなくても、、、とちょっと出題者に抗議したくもなる出題でした。
コメニウスの問題は不適切問題に該当するのか。
この問題の場合、コメニウス以外の人物は、19世紀から20世紀の新教育運動の人物でした。
そして、コメニウスだけが生きた時代が違います。なので、問題文の設定に対して、コメニウスだけが反している。その点で、コメニウスの選択肢は×にすることができるんですが。。。
問題文で、以下の選択肢は19世紀から20世紀の選択肢って言い切っているので、その問題文の設定が不適切であるのではないか。と思うこともできるんですね。
簡単にいうと、、、
次の足し算の問題を解け。
って言っているのに、一問だけ引き算が入っているような。
これって、問題作成者側のミスなんですよね。
けど、私の考えでは、今回は不適切問題として認められないと思います。
理由は3点です。
・明らかにコメニウスは19世紀から20世紀の人物でない。
・コメニウスだけが誤りである。という選択肢がちゃんと存在する
・2018年の社会福祉等、不適切問題が不適切とされない事例が多い。
これらの理由から、今回の問6の解答は③とし、保育士協議会的には、不適切問題と認めないだろうと思います。
めちゃくちゃ腹が立ちますけどね。。。
6月の正答発表で全員正解と謝罪文が発表されました。
どうなるか。と思っていた不適切問題でしたが、今回、協議会側が不適切な問題である。と認めた上で、
・全員正解の措置
・謝罪文の発表
がされていました。
良かったです!!
が、今回の不適切問題への対応のみでなく、これからはちゃんと
出題内容が
・子どもたちが求めている保育士像のものか
・保護者に必要な支援に関するものか
・現場の保育士が求めている保育士像に関連しているか
現場の立場にたって検討した上で出題を考えてほしいとおもいます