ピアジェの感覚運動的知能の6段階を簡単にティッシュのイラストで説明。発達段階を認知発達で考えた
ピアジェはヒトの発達の段階を認知発達(人の知識や思考)で考えた人物です。
今回の記事では、ピアジェが0~2歳に位置づけた感覚運動的知能の段階について、ピアジェはさらに6つの段階に分けたので、イラスト付きでわかりやすく説明します。ティッシュで分かります。★
- 認知発達の5段階を理解してから、感覚運動的知能の6段階を説明します。
- 感覚運動的知能の6段階 0歳~2歳までの感覚を使った乳幼児の認知発達
- 第4段階 獲得済のシェマを利用して二次的シェマを構築・対象の永続性(8~12か月)
- 第5段階 第3次循環反応期(12か月~18か月)環境による課題解決と客観性の視点
注意 今回の記事はまず前回の記事である、ピアジェの認知発達で区分した発達段階を読んでから読んでほしいと思います。
認知発達の5段階を理解してから、感覚運動的知能の6段階を説明します。
感覚運動的知能の6段階を理解するには、おおもとのピアジェ認知発達の段階を知る必要があります。(前回記事のおさらいです。)
ピアジェはヒトの発達段階(発達がどんな感じですすむか)を、人の思考や知識、つまり認知発達の面で考えた人物です。
で、ピアジェが認知発達の面で考えた発達段階が、
①感覚運動的知能の段階(0~2歳)
②象徴的思考期(2歳~4歳)
③直感的思考期(4歳~7,8歳)
④具体的操作期(7,8歳~ 11,12歳)
⑤形式的操作期(11,12歳~ 14,15歳)
なのでした。ここまでは前回の記事で扱っています。
で、今回の記事の内容ですが、この①の感覚運動的知能の段階の0~2歳の期間について、ピアジェがさらに6段階に分けていました。
今回の記事の内容は、ピアジェが①の感覚運動的知能の段階とどうやって、さらに6段階に細分化したのか、について扱います。
スポンサー広告
シェマとは、認知のつながり。同化と調節、シェマの獲得を繰り返して、ヒトは発達する。
今回の内容に必要なので・・・。シェマが分からない人はシェマの記事を読んでほしいです。(この記事の後半で乳児のシェマ獲得も説明しました。)
www.utautaeveryday1.com
分かっている方にもちょっとおさらいです。
ピアジェが提唱したシェマ(認知構造)について説明します。
シェマは認知の構造のことなので、知っていること(認知)の繋がりがシェマになります。
前回の記事では後半で赤ちゃんのシェマについて紹介しました。
ここでも紹介します。
赤ちゃんが、吸綴反射で母乳を吸います 。(反射によって、母乳を知ることになるシェマを獲得。)
お母さんが哺乳瓶を使ったので、赤ちゃんは哺乳瓶でミルクを飲みます。(当たらなシェマの獲得。)
赤ちゃんは哺乳瓶でも母乳でもミルクが飲めるようになります。(シェマの同化)
赤ちゃんは、哺乳瓶ではミルクが出るもの、と思っていたのに、哺乳瓶から出たのは麦茶で、赤ちゃんはいままでのシェマを変化させました。(シェマの調節。)
シェマとは → 認知のつながり
同化とは → シェマに新たな情報が追加されて豊かになる
調節とは → これまでのシェマに変化ができたので調節する
そしてピアジェは、ヒトの認知の発達はシェマ(認知構造)を、獲得、同化、調節することの繰り返しで発達していくと考えました。
それでは、ピアジェが提唱した認知発達の0歳~2歳までの感覚運動的知能について説明します。
感覚運動的知能の6段階 0歳~2歳までの感覚を使った乳幼児の認知発達
ピアジェが提唱した①感覚運動的知能の段階は、さらに6段階に分かれます。
第1段階 反射で身体を動かして適応する(0~1か月)
第2段階 第1次循環反応期(1か月~4か月)外界への興味。物・ヒト
第3段階 第2次循環反応期(4か月~8か月)僕の運動と外界
第4段階 獲得済のシェマを利用して二次的シェマを構築・対象の永続性(8~12か月)
ここから1歳です。
第5段階 第3次循環反応期(12か月~18か月)環境
第6段階 表象(イメージ)が作れる(18か月~24か月)
それでは、それぞれの項目を説明します。
第1段階 反射で身体を動かして適応する(0~1か月)生まれ持った能力を活かせるのか
第1段階は0か月~1ヶ月なので、赤ちゃんがこの世界に誕生したばかりの時期です。
この時期の赤ちゃんは、生まれ持った反射か感覚的な運動をちゃんと使うことができるのかを調節している時期です。
なので、この時期の赤ちゃんの認知的な成長は、吸綴反射等を利用して、ミルクを吸ったりすること。
まだ、外界への認識はない。とピアジェは唱えました。
・・・この時期は、ティッシュだせませんわ。笑
第2段階 第1次循環反応期(1か月~4か月)外界への興味。物・ヒトと僕の運動
第2段階は、1か月~4か月です。
この時期は繰り返す活動(循環反応)によって認知の発達があります。
たとえば、この時期の赤ちゃんは、リーチングといって、とりあえず近くにあるものに手を伸ばしたりします
なので、近くにティッシュがあれば、それに手を伸ばします。(運動) これの繰り返しです。
これこそ、あるものに(対象)
手を伸ばす。(感覚運動)
の対象と感覚運動の関係で、感覚運動によってシェマを獲得します。
また、これを繰り返すので、循環反応期の第1段階です。
第4段階 獲得済のシェマを利用して二次的シェマを構築・対象の永続性(8~12か月)
第4段階は、一気に認知が発達することになります。
この8か月~12か月になると、
こどもが見ている前で、遊んでいたティッシュに布をかぶせて隠してしまうと、その布をどけてティッシュを獲得することができます。
つまり自分の立場に居ながら、モノが隠されたけどそこティッシュがにある。という二次的なシェマを構築して、そのティッシュがあることを確信できます。
これを、対象の永続性の獲得。と言います
長くなってきましたが、あと2項目です!!
スポンサー広告
第5段階 第3次循環反応期(12か月~18か月)環境による課題解決と客観性の視点
12か月~18か月の認知発達は、運動を実験することで発達します。どういうことか、というと、いままでの循環反応期は、同じ行動をしていましたが、
この第3次循環反応期は、実験するんです。
もう、1歳って大変ですよね・・・
第3次循環反応期は、シェマをちょっとずつ変えることで、調節、同化させて、認知的に発達します。
たとえば・・・・
・ティッシュをどんどん丸めてみたり
・ティッシュを出せるだけ出してみたり
・ティッシュを上に投げてみたり
・ティッシュを下においてみたり
・ティッシュを机に広げてみたり・・・・・
同じティッシュでも、自分の行動を変えれば、外界がちょっと変わる。これが分かる時期です。
で、ティッシュって、丸めても勝手に広がるじゃないですが。
それが嫌でまた丸めたりして、実験から、課題解決能力も付けるようになります。
それに、ティッシュが自分の意志に関係なく勝手に広がるように、客観的な視点にも気づきます。
第6段階 表象(イメージ)が作れる(18か月~24か月)天才の誕生
第6段階は18か月~24か月の時期で、この時期はイメージすることができるようになります。
簡単に説明すると、さっきの段階でティッシュを丸めては広がり、丸めては広がり・・・・を繰り返していた子は、
もう、目の前にティッシュがなくても、ティッシュをイメージして、ティッシュはこういうもんや。って理解できるようになっています。
第6段階はイメージする能力が付きます。
イメージすることが出来る。ということは、ヒトが認知発達の急成長を遂げるための条件でもあるので、ヒトがイメージする能力があるのって、もう、天才ですよね。
全てのイラストをまとめると、こんな感じになってました( ´ ▽ ` )
さて、今回紹介したのは、①の感覚運動的知能の段階の6段階を分けたものなので、
①感覚運動的知能の段階(0~2歳)
②象徴的思考期(2歳~4歳)
③直感的思考期(4歳~7,8歳)
④具体的操作期(7,8歳~ 11,12歳)
⑤形式的操作期(11,12歳~ 14,15歳)
また、2歳以降の認知発達についても学習してみましょう。