ニール(ニイル)の自由教育の思想とサマーヒル学園を説明。保育実践との関連性
A・Sニイル(ニール)は、イギリスの教育学者で自由教育を提唱した人物です。ニールが考察した、こどもたちの自由な気持ちを尊重する教育の在り方は、保育の実践でも重要な考え方になります。
今回の記事でわかりやすく説明します。
ニール(ニイル)の自由教育の思想とサマーヒル学園をわかりやすく説明
A・Sニールの教育の思想ですが、ニールは、こども自身による自由な思いや考えを尊重する教育の在り方を実践しました。
これを自由教育といいます。
ニールの教育では、大人が子ども達に強制的に指導したり、抑圧することはありません。
どうして、大人による指導を行わず、こどもたちの自由な意思が行動を尊重した幼児教育の実践をニールが提唱したのか、というと、
子どもの自由を尊重することこそ、こどもの幸福につながり、人類の原理にもなる。と考えたからです。
ニールは、自由教育の実践を、彼が設立したサマーヒル学園で行いました。
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サマーヒル学園は世界で一番自由な学校。子どもに適応する教育を実践
1925年にニールが設立した学校です。このサマーヒル学園では、ニールは子どもに適応する教育を基本思想として徹底しました。
(↑ニール著書の「恐るべき学校」より)
与えられる教育ではなく、こどもから求められる形で教育が実践されます。
この子どもに適応する教育の形ですが、こどもの自由な意思に基づいて、こどもの興味関心から教育が発生します。
よって、世界で一番自由な学校と言われたサマーヒル学園では、生き物の観察から理科の教育が発生したり、図工などの科目に注力した面もありました。
この学校は幼稚園のような幼児教育の形で行われたものとは限らず、初等教育等の学年に対して実施されました。
ですので、このサマーヒル学園は、問題行動によって通常の学校になじみにくい児童が、自らの生活能力の獲得にも繋がったとされています。
ルールが無い学校の形。フリースクールの在り方
現在では一般的なフリースクール。
欧米で注目されたのは1970年代、日本で注目されたのは1990年代です。
人の生き方の多様性に合わせて、教育もこどもたちの選択意志がある。これを追い求める自由な学校がフリースクールです。
もちろん、自由だからといって、何でもアリ。ではなく、そこには一定の倫理観も敷かれています。
ニールのサマーヒル学園は、シュタイナーのウァルドルフ学校と合わせて、この見本とされていました。
シュタイナーの記事はこちら。
www.utautaeveryday1.com
ニールの教育思想は幼児教育や、保育実践にも応用できる
この子どもの自由な考えを尊重して、教師が一方的に与える教育ではなく、こどものほうに適応する教育を実践することは、
現代の保育現場でも重要な理念になります。
こどもたちの、自由な感性や、発見の延長線上にある教育の形こそ、こどもに求められる教育の形であり、こどもの発達に相乗的にかかわることが可能になるからです。
なので、保育士試験では、保育の在り方について、一斉保育もですが、コーナー保育や、自由保育など、こどもの選択制が尊重される保育の在り方が紹介されています。
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ニールのポイントをわかりやすく簡単に説明(A・Sニイル)
今回の記事では、A・Sニールの教育思想について説明しました。
いつ・どこで・何のために・何した?コーナー |
A・Sニール(ニイル)は、
いつ → 1883~1973
どこで → イギリス
何のために → 児童の自由な意思を尊重した教育がしたい
何をした → 子どもの自由意思を尊重したこどもに適応する教育を実践するために、彼のサマーヒル学園で、自由教育を実践した。
今回のニールは、保育士試験では、保育原理と、教育原理で出題の可能性があります。